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日本の音楽配信サービスの特殊性と未来を考えてみる その3

headphone

 

台風一過で、やっと秋が来たようで、過ごしやすくなってきましたが、いかがお過ごしですか?いつもだと、iPhoneの予約数の発表があるはずなのに、今回はありません。
アップルさん、なんか忘れちゃったのかな?

こんにちは。アクセルエンターメディアのナカノヒトです。

そろそろ、日本の音楽配信の特殊性と将来を考えるのオチをつけなければなりません。題名の割には、大した結論になりそうもないのが、残念ですが、日本の音楽配信は、着メロ、着うたというところから、一般化し、市場を作ってきました。パッケージの落ち込みとは、全く別の次元で、市場を作ってきた。そもそも、パッケージがデジタルに流れたので、パッケージが落ち込んだんじゃないということころが、ポイントです。

パッケージの代替としてのデジタル配信ではなくて、従来、音楽に使っていたお金とは、「別の財布から、お金を別名目で引き出して」市場を作ってきました。しかも、キャリア課金(諸外国でも最近再評価されだしていますが)とともに成長したこともあり、本来コンテンツバイコンテンツで支払いを行うもののはずなのに、月額課金制が受け入れらてきたという特徴がありました。

月額課金のポイント制で、料金は払えど、楽曲をダウンロードしない「スリープ会員」が存在したからこそ、70%前後の高い印税率のこのビジネスが多くのサードパーティCPにおいても成立し、市場が作られ、底から、携帯電話向け音楽配信とも言える着うたフルに踏襲されたということもあるのですが、この話は詳しく話すと長くなるので、別の機会にするとして、これらの状況を考えて、なんとかオチをつけます。

日本以外の海外では、パッケージメディアの衰退して、iTunesなどのデジタル音楽配信へ移行し、特に欧米では、iTunes killerと言われるSpotify中心になどの定額音楽配信サービスが急成長しています。Spotifyなどの定額音楽配信サービスの特徴は、俗に言われるフリーミアムモデルで、お金を払わなくても、一定時間まで楽曲が聴けるサービスと組み合わさっているので、(これが、彼らの事業の利益の足を引っ張っている元凶でもあるのですが、その議論は、ここではしません)特にパッケージが全く売れない上に、違法配信が横行している国では、(ヨーロッパだとスペインとか)特に救世主と言われています。ヨーロッパでは、Spotifyを導入した国は、音楽市場が下げ止まり、導入していない国は音楽市場の下げ止まりがないなんて、調査結果もあるくらいです。

これを元に、日本も・・・なんていう方が結構たくさんいらっしゃるのですが、それはあまりにも日本の状況を理解されていないのではと思います。パッケージが売れず、違法配信が横行し、という状態では、楽曲の値段は、ゼロだったわけです。違法配信をメインにしている人たちだって、探す努力や手間が多少あることを考えれば、Spotifyのフリー版に入った方がいい。そのうち、たくさん聴く人にとっては、1曲あたりの価格は限りなくゼロに近いならということで、Spotifyの有料版に入る人もいるわけです。ゼロから、わずかであっても、有料に流れるわけですから、そりゃあ、下げ止まるどころか、上向くことだってあります。要は、底辺の状態ですから、投げ売りでも、金を出してくれる方がなんぼかマシというものです。在庫品セールみたいなものでしょう?

日本は、事情が違います。諸外国に比べたら、パッケージはまだまだ売れているし、海外に比べたら、違法ダウンロードで音楽市場が成立しないほど(中国みたいな状況)ではありません。

そんな中、日本でも、SONYのMusic UnlimitedやKDDIのKKBOXなど、本格的な定額音楽配信サービスが複数スタートしています。価格は、紆余曲折ありましたが、月額980円と他国並。ですが、今のところ、スロースタートのようです。現状は、不参加のアーティストやレーベルが多いことや、レコード会社側のウィンドウ戦略の影響で、原則、メジャーレーベルの新譜が配信されないなど、ラインナップがカタログよりであることもあるので、純粋に、定額制音楽配信が日本で受け入れられないとかの判断はできないのですが、少なくとも、漏れ聞こえてくる数字を見る限りは、現時点では、ほとんど受け入れられていないようです。これは、おそらく、Spotifyが上陸しても、状況は大きく変わらないでしょう。
そんな中で、急激に会員を伸ばしている日本特有のサービスがいくつかあります。よいとか、悪いとかではなくて、これはひとつの答えじゃないかと思っています。その筆頭が、サービススタートから11ヶ月で100万人の会員を獲得し、成長を続けるドコモのdヒッツ。

もちろん、ラジオ型サービスが答えだというのではありません。

月額980円で数千万曲聴き放題のサービスは、ゆるやかにしか会員が伸びていないのに、一方月額300円(税込み315円)のラジオ型サービスには、1年も経たずにして100万人ものユーザが入会しています。dヒッツに限らず、月額390円のauスマートパスは、わずか14ヶ月で600万人を突破、その20%は、うたパス、ビデオパスに入っていると考えられ、ソフトバンクとAVEXの共同運営している月額490円のUULAは、わずか3ヶ月半で、50万人を突破。ドコモのdアニメストアも1年1ヶ月で、100万人突破と、信じられないスピードで有料会員を獲得しています。

海外から見ると、この状況は不思議に映るようで、「日本人は、500円未満の月額制でないと入らないのか?500円未満で使い放題であれば、なんでも入るのか?」と疑問に思うようです。実際、海外の音楽業界の方にこの現状の理由を説明してくれと質問を受けていた国内の音楽業界の友人もいたくらいです。彼がどう説明したかは、確認していませんが、確かに、フィーチャーフォンの時代から、月額315円というのは、携帯電話で課金する1つの単位であり、最もハードルの低い課金料金であることは確かです。ただ、月額500円を超えているか、否かということが、980円の定額制音楽配信サービスとそれ以外の伸びているサービスの明暗を分けているかといえば、YESでありNOです。

急激に、会員数が伸びた理由。それは、日本独自の加入プロモーションシステムに乗っかることができたからです。そのプロモーションに乗るためには、月額300円~500円という価格帯であることがふさわしい。そういう意味では、月額料金がが500円を超えているかは、答えとして正解です。そのプロモーションシステムは、業界では、「レ点」と呼ばれています。

元々は、キャリアの申込書にある□にチェックの意味で、カタカナの「レ」に似たマークを書き入れること=申込時にデフォルトで付帯させて申し込ませることを呼びます。いわゆるキャリアオプションのようなものです。キャリアが提供するサービスだけに許される、かなりの高確率で加入を促せる究極のプロモーション。ただ、強制的に入れているだけじゃないか、とかいうこともありますが、まあ、本質的な部分には、今回は目を瞑っておいて続けます。

オプションの留守電、キャッチホン同様、当然の流れで、おすすめし、申し込みます。機種変、新規加入をする全てのユーザにおすすめし、同時加入してもらうため、ユーザが、何かを代替するサービスとして選択するのではないため、ある種、通信費の一部という感覚で支払うため、既存の市場のパイを奪うことがほとんどありません。単純にアドオン。ときには、断ると、端末の購入価格が大幅に上がったりする場合があります。1ヶ月目でヤメる前提なら、割引分(=断った場合の割増分)と天秤にかけて得かもと皮算用して、結局申し込みます。

ショップでは、加入時には、かならず、それぞれのサービスに関して、十分な説明を行うよう指導はされていて、実際説明をしているのだとは思いますが、顧客側があまり聞いていないことや理解していないことが多く、加入している事自体を意識していないケースも少なくなく、その場合、解約されることも少ないので、会員数は積み上がる一方です。サービスには加入しているものの、全く使ったことがないユーザが多数いるというのも、この手法の特徴でもあります。段々、サービスの認知度が上がるに連れて、お金だけ払っていて使っていなかったユーザも段々使ってみるようになり、ユーザのアクティブ率が上がっていきますが、一度使い出してしまえば、ユーザは解約しづらく、元々課金されている意識も薄いので、止めずに使い続ける可能性は高いのです。もちろん、そこで、サービス内容がひどすぎれば解約しますし、ある程度のクオリティが保たれている前提ではありますが、既に加入しているサービスを続けさせるので、、新規に有料で入会させると際の要求クオリティに比べれば、ハードルは低めだと思います。

この日本固有の「レ点」とサブスクリプションサービスの相性は抜群で、拡大させたい市場の既存のパイを奪わずに、通信料を財源として、急激に有料会員を獲得させ、その結果、その市場に売上を作り、また、提供するサブスクリプションサービスは、稼働率が低ければ、既存市場には影響を与えようもなく、稼働率が上がったとしても、既存の市場の商品を完全にバッティングするほどのサービスレベルに調整することで、既存の市場への影響を最小限に、サブスクリプションという新しいサービスにユーザをソフトに慣れさせることができます。

そういう意味では、本質を抜きにすれば、レ点とソフトなサブスクリプションサービスを組み合わせることで、「音楽税」を全携帯電話保有者から徴収し、業界に還元することで補填をしながら、新たなサービスへのスムーズな移行を試みるというのが、日本式の音楽配信の未来の模索の仕方ではないでしょうか?まさに、これこそが、日本式のケータイ経済システムだと思います。

実際、Spotifyのようなフリーミアム型の音楽サブスクリプションサービスは、フリー部分の費用負担の重さと、1再生あたりの印税額の低さから、将来、事業として成立するかは、未だ証明されていないので、これが音楽配信の未来のスタンダードなのかはわかりませんが、少なくとも、日本式のケータイ経済システムであれば、仮にフリーミアム型の音楽サブスクリプションサービスというモデルが崩壊したとしても、正解がでるまで、市場を潰さずに、模索を続けることができそうです。

もう一つ、イマイチ詳細がわかりませんが、第二の着うたになるかもしれないサービス、それがLINE MUSICかもしれません。原盤を活用し、印税を発生させるものの、既存のビジネスに悪影響を与えないプラスアルファのサービス。着メロから派生した着うたは、まさに、そんなサービスでした。

着うたは、あくまで着信音であって、当時のCDセールスや、CDレンタルから顧客を奪うものではありませんでした。

時期を同じくして、CDパッケージ市場がシュリンクしていたので、あたかもCDの代替品であるかのように語られたこともありましたが、着うたは、仕組み上、CDから原則自分では作成できず、また、 着うたから、CDを作ることはもちろんできなかったため、全く別のアドオンの売上として、音源を使ったビジネスとして、音楽業界に貢献しました。

爆発的に全世界に普及したLINE上で使われているスタンプも、似た響きがあります。

購入したスタンプは、LINEでのスタンプ以外に使えず、スタンプ自体は、自作することはできません。(スタンプ風画像は作れますが、スタンプにはならないはず)様々な既存のIP(Intellectual Property)を利用する全く新しい商品であり、ここで作られた売上は、同一のIPを利用した他の商品の売上を阻害することはありません。すでに月商10億円を超えています。

この音楽版を感じさせる新サービス「LINE MUSIC」が、年内にスタートするという発表が先日されました。

詳細は、全く発表されていませんが、
・LINE本体のアプリで基本機能として導入
・LINEフレンドと一緒に音楽を聴いたり、コミュニケーションを楽しむ

というところを考えると、ここで購入しない限り、この使い方はできなさそうです。
例えば、iTunesで購入した楽曲がiPhone内に存在していたとしても、LINEアプリ上で、「LINEフレンドと一緒に音楽を聴いたり」することは、大人の世界的にも難しそうです。LINEアプリ上での使用に限定して、今までにない使い方をするために楽曲を購入する新たな機会と考えると、まさに着うたの再来となる可能性があります。

着うた市場の拡大は、ケータイの急速な普及と重なって加速しました。LINEは、現在、全世界2億人のユーザを抱え、成長を続けています。当然、日本市場で先行して始まるようです。日本市場で成功した暁には、LINEを通じて、特にアジア圏では、日本の音源がLINE MUSICで売れていく可能性も期待できます。詳細はわかりませんが、第2の着うたとして、期待してよいのではないでしょうか?

なんだよ、結局レ点とLINE頼りかよと思わないでください。他国には、それすらないんですから。
どちらも現状の音楽配信ビジネスとは、モデルが離れたところの話になってしまいましたが、新しい、もしくは、新しそうなサービスが出てきたら、それを「マイルド」にして、レ点でやってみる。圧倒的な数のユーザから、実際にお金を徴収しながら、実際に使ってもらって、チューニングしていく。その間、業界に対しても補填をしながらです。一方、完全に新たな市場として期待されるLINE MUSICもある。と考えると結構バラ色です。

パッケージや普通のアラカルト配信は、どうなるの?というと、より趣味性が進んで行くんじゃないかと思います。日本国民の○%がこぞって同じCDを買うなんて時代は、2度と来ない思いますが、ファンが記念品として買うものとしてのパッケージというのは、続いて行くものだと思います。パッケージは、ファンクラブで限定的に販売するものという時代がやってくるかもしれません。この有料ファンクラブというものが、これほど成立しているというのも実は、日本の特殊事情だったりもします。アーティストを後援する組織がしっかり存在している以上、近い将来には、ファンクラブ会費に楽曲代が含まれていく時代が到来するかもしれません。そういう意味では、囲い込みの意味でも、各レコード会社が、ファンクラブ領域に進出して直販、もしくは、楽曲のサブスクリプションサービスを行う可能性も十分にあります。そうなれば、ファンクラブの会員からの会費(楽曲費用も込み)で、原盤制作費用がそもそもペイしている状態から、楽曲制作ができるという時代がやってくるかもしれません。その時には、パッケージを購入したら、デジタル版はついてくるというKindle MatchBookの音楽版は、必須となるとは思いますが。

結局、ファンクラブというオチになってしまいました。ファンクラブ屋が書いているので、あしからず。

(こういう真面目なやつは結構疲れますね。)

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日本の音楽配信サービスの特殊性と未来を考えてみる その2

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13日の金曜日です。なんか、弊社のfacebookページからネタを振られましたが、何も思いつきません。
今日から、iPhone 5Cの予約受付が開始するようですが、iPhone 5Sの予約は受け付けないようです。仕方ないので、実は、もう、Appleストアに並んでいます。これから、1周間並びます。
ええ、もちろん、嘘です。
こんにちは。アクセルエンターメディアのナカノヒトです。

昨日は、途中まで記事を書いたのですが、途中で寝てしまい、更新できず。おかげで、1日スキップです。

日本の音楽配信サービスの特殊性と未来を考えてみる その1
http://axelentermedia.co.jp/wordpress/wp/?p=524

は、たくさんの方に読んでいただけたようで、このブログのアクセス数もこんな感じになっています。

googleanalytics

ありがとうございます。なかなか、毎日更新というのも、しんどくなってきましたが、がんばります。
ということで、続きです。

前回は、結構、日本は特殊ですよというお話をしました。

世界で類を見ない、CDレンタルが合法化されているという特殊事情の中で、CDというパッケージメディアが売れていて、元々の音楽配信市場のほとんどがフィーチャーフォン(ガラケー)向けの着うた、着うたフルで、月額課金モデルがベースになっています。

そんな中で、PCから簡単に転送できるスマホってのが出てきたもんだから、詳しい人とかは、CDレンタルとか友達から借りてきたCDをリッピングして、転送したり、時には、ニコ動とかYOUTUBEから音声をぶっこ抜いたりする。でも、マルチデバイス対応したり、フル楽曲に関しては、フィーチャーフォン時代の半額くらいに単価が下がったり、DRMフリー化したり、iTunesが携帯回線でも購入できるようになったりする中で、パソコンとかあんまり得意じゃなくて、フィーチャーフォンしか使ってこなかった人まで、スマホに移行し始めたもんだから、今までの着うたフル買うみたいに、スマホで楽曲ダウンロードで買う人も出てきたりして、結果、フィーチャーフォン市場は前年比-40%、PCとスマホ向けの配信が前年比+43%で、音楽配信市場の仕上がりが前年比-25%となりました。

詳細は「日本のレコード産業2013」日本レコード協会
http://www.riaj.or.jp/issue/industry/pdf/RIAJ2013.pdf

実際、フィーチャーフォンから、スマホへの移行は急速に進んでいて、2012年度出荷台数の4181万台のうち、71.1%の2972万台(MM総研)。
日経新聞「国内スマホ出荷台数、1位アップルのシェアは35.9% 」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK09034_Z00C13A5000000/

これを見ると半分以上すでにスマホであるような錯覚に陥りますが、スマホからスマホへの買い替えも含めて、3000万台なので、2013年第1四半期に行われたGoogleの調査によると、

スマートフォン普及率

と、日本の現状のスマホの普及率は、諸外国と比較して非常に低い、25%。調査によってばらつきがあるといっても、少なくとも半分は、フィーチャーフォンというのが、日本の現状です。

アクティブユーザほど、買い替えるという事情とか、弊社のユーザ分布を考えても、有料サービスを利用しているユーザのフィーチャーフォンとスマホの比率は、ざっくり半々くらいじゃないかと思います。

配信量金額

その中で、ダウンロード数の比率は、FP:SPで、3:1、配信売上額比率で、2:1というのは、フィーチャーフォンの配信の中に、単価の安い着うたが入っているからでしょう。そして、着うたの落ち込みは、スマホへの移行時には、一応、iTunesでも着信音として250円で販売されているものの、スマホに移行してからは、着うたは、壊滅状態になっており、到底埋められるものではなく、そのうち消える数字です。フルトラック配信については、ある程度は、単価の安いスマホの音楽配信へ流れますが、一方、CDレンタルなどの代替手段に流れますので、単純に補完できるものではありませんが、スマホ単体では、かなりの上昇は見込めます。が、フィーチャーフォンからの移行部分だけでは、マイナスにならざるを得ません。

日本の音楽ソフト市場は、85%をパッケージが占めており、音楽配信は、わずか543億円しかありません。
そもそも、音楽配信自体、売れてないんじゃないでしょうか?

元も子もないことを言うと、全世紀末にビークを付けた音楽パッケージ市場は、今までずっと下がり続け、ピーク時の約半分になってしまいましたが、その下がった分は、もちろん、一部は、デジタル配信に移行していたり、よく指摘されるように違法ダウンロードというのもありますが、実はその大半は、「ただ消えた」だけなのだと思います。

CDを買う、iTunesで曲を買うという行為自体が、特別な行為になっているのではないかということです。

例えは、ちょっと異なるかもしれませんが、歌舞伎役者の出演するドラマは、観るし、名前も知っている人はいるけど、歌舞伎自体は一部のご贔屓がいる方が行くものになっているという感じでしょうか。わかりにくいですかね。

CDが売れないのではなくて、曲を買わないようになってきたんでしょう。よっぽどのことがなければ、楽曲にお金を出さない。ファンクラブに入っているファンの方たちは、若年層であっても、そのアーティストについては、CDを買う傾向が強いですが、特に若い人は、他のアーティストの楽曲は、レンタルだったり、YOUTUBEだったりで済ませる。

日本での傾向は、音楽が好き、というよりは、「ヒト」に紐づくことが多いなあと僕は思っています。もちろん、きっかけは、その「ヒト」の創り出す楽曲だったりもするんですが、そのうち、「ヒト」のことが好きになり、その「ヒト」が創り出す「作品」として、楽曲を買う。だから、若い人でも、自分が本当に好きなアーティストの楽曲は、形あるCDで購入したりするんじゃないかと。贔屓倶楽部、後援会、ファンクラブ。逆に言えば、本当に好きな「ヒト」の楽曲にしかお金を払わない。

誰もが言ってることですが、若者にとっての音楽との向き合い方が変わってきただけなんだと思います。
元々、たくさんCD買ってた、今のおっさん、おばちゃんたちは、当然、歳を重ねる毎に、段々購入枚数が減ってくのは、普通の話です。(さすがに、昔ほどCDを買わなくなってはいますが、20世紀末にバンバンCD買ってたのが、心の奥の方に染み付いちゃってるから、たまに、昔好きだったアーティストが、ベスト出しちゃったりすると、脊髄反射的にこぞって買っちゃったりするんだと思います。既に持っているライブDVDがBlurayでリマスタリングされてBOXとかだすと市場が動くほどの起爆力も持っています。)

従来は、そこを埋めるだけ、若者が新たに買い始めるということで、ただ、購買者が入れ替わってということだったのですが、若者が、「録音物を買う=繰り返しその楽曲を聴く」ことに対して、お金を払わなくなってしまったのでしょう。

一番は、同じ楽曲を繰り返し聴くという行為自体が、生活の中で、他を差し置いてお金を払ってまですることではなくなってしまったんだと思います。

さらに、同じ楽曲を繰り返し聴くだけなら、YOUTUBEやニコ動でいいじゃない。楽曲も選べて、音質もデジタルで遜色なく、音だけぶっこ抜いて、スマホに転送したら、CDリッピングしたのと変わらないし。もう少し、思い入れとか、面倒とかがあれば、次の選択肢はレンタルか音楽配信だけど、急ぎじゃなければ、レンタルの方が安いので、分があります。

CDは、本当に好きなアーティストのものを、記念品というか、特別なものとして買うものなんじゃないでしょうか。配信であっても、発売日に欲しいから、レンタルは選択肢としてなくなりますし。

 

CD市場の底が見えないと言われていたのとたまたま時期を同じくして、着メロが台頭し、その後、着うたになっていきましたが、それはどうなんだという話があります。着メロは、MIDIを使ったカバーなので、音楽市場には入りませんが、着うたは、原盤を配信しているので、音楽市場に売上が入ります。

が、これは、CDの代替品ではなかったのだと思います。これは、交遊費、ある種、電話代とか、友だちと会う交通費、友達と話をするときの喫茶店代みたいな存在じゃないかと。そもそも、音楽に遣うお金がここに回ったんじゃなくて、全く音楽に遣うお金じゃないところでから、遣っていたので、音楽市場としては、完全なアドオンの売上です。

なんの代替でもありません。携帯電話が鳴った時に、鳴る音を買う。着信音にメロディーを使おうというものが着メロで、CD音源をいれてしまおうというのが、着うた。それは、自己主張であり、一方で自己満足であり、コミュニケーションツールのひとつだったのだと思います。

 

レコード協会の数字とはズレがありますが、打ち合わわけがあったので、参考までにモバイルコンテンツフォーラムの調査データを示すと

着メロ着うた市場

 2012年モバイルコンテンツフォーラム

http://www.mcf.or.jp/press/images/mobilecontent_market_scale2011.pdf

2008年、着メロは、473億円 着うたが483億円と一気に成長し、ピークを迎えましたが、着うたから派生した、着うたフルも、707億円とほぼ同時にピークを迎えていました。着うたフルは、フルレングスの楽曲配信に着信機能が追加されたものだったので、CDの代替品+着うたの複合商品で、それまでにも、なんども、各社がトライし、普及してこなかったいわゆる楽曲の音楽配信が、携帯電話向けの着うたフルで初めて普及したことは、日本という国の、特殊性をよく表していると思います。

果たして、着うたフルは、CDの代替品だったのか、着うたの代替品だったのかでいえば、市場的には、CDの代替品だったのではと思います。ユーザとしては、どうせ着うた買うなら、まるごと1曲聴けちゃったほうが便利じゃないかという意識だったんだと思います。そもそも、CDを買うという選択肢自体を持っているユーザは少なくて、どっちにしようかということでもなかったじゃないかと。

そして、ピークを迎えたあと、スマホがやってくると、着信音という市場は崩壊し、着メロ、着メロは、スマホでは、ほぼ壊滅状態になります。

そんななかで、スマホでは、着うたフルは、どうなるのか。ユーザは、着信機能とか忘れて、一旦ゼロリセットで、音楽聴くと考えます。

通常なら、今まで着うたフルをオンラインで購入していたのと同様に、スマホ向けの配信サービスで購入に全て移行、めでたしめでたしとなるのですが、

ふと、手元を見ると、便利な転送ツール。

今まで、なかった選択肢、CD借りたり、YOUTUBEからぶっこ抜いて、スマホに転送すりゃいいんじゃないの? ということで、配信は使わないという方がでてきたので、残念ながら、全部が移行するということはなくなった模様です。しかも、着うたフルと比較すると、価格は、約半額。

2012内訳

 

日本レコード協会の2012年の内訳を見ると、着うたフルの年間売上は、210億円。もし仮に、スマートフォンへの移行が完了して、着うたフルも、スマホ向けの配信に全て移行して、単価が半額になったとして、最大105億円。着うたは、壊滅して、リングバックトーンがそのままの価格で移行したとして、最大68億円。それ以外で18億円。モバイルからの移行で考えられる、増加額は、最大191億円。

現状のモバイルは、347億円あるので、ざっくり、あと150億円は、最低でも落ちそうです。乱暴ですが、このままだと、2-3年後の日本の音楽配信市場規模は、400億円がマックス。

もちろん、パッケージから、配信にどのくらい移行するかと、今までにないサービスというのは、入っていないので、そこが伸びしろになるのですが。

暗ーい気持ちになりましたか?今日は、なんたって、13日の金曜日ですから。

実は、そんな暗い話ばかりではありません。明るい兆しもないわけではないのです。ただ、Spotify(日経様の表記だとスポッティファイ)がドーンとか、Pandoraが、ドーンというような欧米的な話ではどうやら無さそうです。

ここは、黄金の国、ジパングなので。ジパングには、ジパング特有の錬金術が存在していて、もう、すでに動き出しているようです。

 

では、今宵は、ここまでにしとうございます。では。

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日本の音楽配信サービスの特殊性と未来を考えてみる その1

music

iPhone、ほぼ噂というか事前リーク情報通りの発表でしたね。これでまた、iPhoneのシェアが上がります。ドコモさんは、ワントップ戦略に路線変更するそうです。
ええ、もちろん、嘘です。
おはようございます。アクセルエンターメディアのナカノヒトです。
一昨日、夜中にこの記事を書いて、公開したつもりだった記事が公開されていなかったようです。twitterとfacebookには、流れちゃいましたけど。なので、今日の分として、あらためて、公開します。

お陰様で、ほとんどアクセスがなかったこのブログのアクセスも、更新を始めてから、アクセスが上がってきています。このアクセスと僕の給料は連動しているんです!なんてことはないんですが、今日も、頑張ります。

今日は、日本の音楽配信の事情についてというそれっぽいテーマで、行きます。たぶん、今週はこのテーマで引っ張ろうかと。

世界は、定額制音楽配信サービスで溢れいています。もう、パッケージはダメです。パッケージ販売なんて、もう、昔の話で・・・というのは、日本を除く世界の話。ほげほげストリートジャーナルとか、なんとかトリビューンとかに書いてあることは、極東の黄金の国ジパングには、通用しません。ガラパゴスじゃなくて、ジパング。

そう、音楽にとっては、黄金の国なんです。
国際レコード産業連盟によれば、2012年の国別音楽市場は、世界1位。

日本経済新聞 音楽市場世界一の日本、次の一手は
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0903I_Z00C13A4000000/

円安とか、調査によって、多少のブレがありますが、1位じゃなくても、アメリカとの僅差での2位。人口が半分と考えれば、事実上、楽曲販売で見ると世界一買ってもらえる夢の様な国です。なんと4250億円。

2012年は、パッケージに関してみるとなんと、前年比+10%の急成長の3108億円。
やれ、去年は、アイドルブームで握手券目当てじゃないかとか、大物のベスト盤がたまたま複数でたからとか、いろいろ言われていますが、じゃあ、やってみろって。確かに、2013年もこの金額を維持するとなるとかなり大変だとは思いますが、他の国では、ほとんど死にかけのパッケージ市場の中で、3108億円というのは、間違いなくダントツの1位。いずれにしても、音楽市場としては、恵まれている状況なのは確かです。

一方、デジタル配信市場は、前年比−25%の542億円、うち、フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)の市場は前年比-40%、PCとスマホ向けの配信が前年比+43%で、仕上がりが-前年比-25%となりました。

先ほどの日経さんの記事をそのまま転用すると
「要因は従来型携帯電話向けが4割減となったこと。一部の消費者がスマホへ買い替えた際に、音楽配信を使わなくなっている」

ということなのですが、これは、合っている一方で、合っていないと僕は勝手に思っています。(どっちやねん!)

「従来型携帯電話向けが4割減となったこと」は、これは間違いありません。そもそも、各キャリアがフィーチャーフォンの新機種をほそぼそとしか出さず、スマホへの移行を促進しているので、買い替えによって、フィーチャーフォンが急速に減っています。なので、当然、減るわけです。

で、スマートフォンに乗り換えて・・・となるのですが、
僕は、むしろ、スマホに買い換えたユーザは、音楽配信を使うようになってきているんじゃないかなと思います。発表はされていませんが、特にiTunesの売上の増加はえらいことになっていると思います。

まず、この国の携帯電話向け音楽配信を取り巻く状況を予め理解すれば、そもそも、フィーチャーフォン時代のように配信で購入しなくて当然ということが前提であることがわかってきます。

そもそも、日本の音楽配信市場とは、スマートフォンが普及するまで、世界稀にみる携帯電話向けの着うた・着うたフル配信市場が大方を占めており、PC音楽配信市場はないに等しかったという特殊事情があります。

その前提に加えて下記のようなネガティブファクターがあります。

1. フィーチャーフォン時代は、原則、公式サイトで買わないと着信設定もできず、着信設定しないフルトラックでも、リッピングして転送するよりも、着信設定も可能な着うたフルとして、購入することがスタンダードとなっていた。そのため、たとえパッケージCDを持っていても、リッピング転送が行えないユーザは、別途着うたフルで購入しなければならなりません。

2.スマホでは、そもそも、使用の前提条件として、PCと機能が充実したツールがあることが前提となっており、特にアーリーアダプターは、確実にPCを使っていました。

3.スマホ乗り換え時に解約
もともと、フィーチャーフォンでは、レコチョク以外は、キャリア決済を使った月額制がメインでしたが、スマートフォン乗り換え時に、月額課金を引き継げなかったり、そもそも、サービスが対応できなかったりと、スマートフォン乗り換え時に解約しなければならない状況が多数発生しました。

4.日本には、他国にない、CDレンタルがある。ダウンロード1曲分の価格で、アルバムを借りることができます。

上記の4つを前提をすると、下記のようなことが考えられます。

・従来のようにダウンロードで楽曲を買う他に、リッピングすることが定着し、その元のCDさえも、レンタルや友人から借りるという選択肢がでてきました。
・今までの買い替えでは、そのまま月額課金が引き継がれたが、スマホへの乗り換えの場合には、その時点で解約が大量に発生しました。
・また、引き継がれた場合にも、特殊なプレイヤーアプリが必要だったりとユーザビリティに問題があるケースも多く存在しました。

こう考えると、スマートフォンに乗り換えた際に、楽曲のダウンロード数、月額会員数が減る要因ばかり。

さらに、楽曲が同数ダウンロードされても、従来の着うたフルの楽曲あたりの相場400円−500円に対して、iTunesでは、DRMフリーで、250円と半額になっているため、売上額は大幅に減らざるを得ません。さらに、それにより、フィーチャーフォン向けの配信価格や、他社の配信価格も軒並み値下げが行われました。

一方、ここ1年の間に、上昇を後押しする下記のようなポジティブファクターがでてきました。

1.価格が下がったこと、同一ユーザによるマルチデバイスでのダウンロードがOKになったこと、DRMフリーになったことで、お得感がでてきました。

2.スマートフォンが普及する過程の中で、PCを持たないユーザ層まで広がったこととで、従来のフィーチャーフォン同様に楽曲をダウンロード購入することを受け入れるユーザが出てきたと考えられます。

3.iOSで仕組み上、圧倒的なアドバンテージを取る、iTunesでの着うた販売、初期は、WiFi環境もしくはPCでダウンロードが必要でしたが、携帯電話回線で楽曲をダウンロード購入ができるようになりました。

乗り換え時にダウンロード販売から遠のいていく中でさらに単価が下がるという逆風の中で、上記のような上昇要因があったおかげで、今の数字に落ち着いているということではないでしょうか?そういう意味じゃ、かなり頑張ってる数字って評価でいいんじゃないかと。これから、市場規模は小さくなると思いますけど。

あ、現状の市場背景だけ書いただけで、かなり、長くなっちゃったので、続きはまた次回。

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ユニバーサルミュージックの企業向けの販促支援専門サイトの発表に乗っかって、企業課金型着うた(R)配信サービスについて宣伝するの巻

ユニバーサルミュージックが企業向けの販促支援専門サイトを立ち上げました。

http://www.universal-music.co.jp/smp/

今までも、企業が有名なアーティストやタレントをCMや広告に起用したり、CMで楽曲を使用したりするケースはたくさんありましたし、今も盛んに行われています。これらは、どちらかといえば、イメージ浸透を図るという色合いが強い手法です。

より販売促進にダイレクトな手法としては、マストバイキャンペーンと称して、該当商品を購入した人全員に「魅力的な何か」をプレゼントしたり、抽選で当たったりという手法が、伝統的に行われています。

その「魅力的な何か」として、音楽関連のプレゼントは、いつの時代も人気です。ある商品を購入した人を対象とした、ライブ招待やアーティストグッズのプレゼントキャンペーンなどは、よく見かけると思います。

従来、これらのキャンペーンを行う場合、広告代理店を通じて、レコード会社やアーティストの事務所とコンタクトを取り、徐々に条件が決まっていくという、非常にクローズドな世界で行われ、一般に門戸が開かれていることはありませんでした。

今回のユニバーサルミュージックの専門サイトの開設は、ある程度(条件がすべて公開されたわけではありませんが)プログラム化(Strategic Marketing Partnership)された点、企業から直接、レコード会社にコンタクトを取れるという2点において、画期的と言えます。

例で挙がっているプログラム内容(モバイル会員加入促進を目的としたSMPメニュー一例

・楽屋訪問パス

・ライブ招待

・スペシャルグッズプレゼント

・着うた®プレゼント

門戸は開かれましたが、Amazonで商品をカートに入れて、金額が出て、はいスタートってワケにはいきません。

仮に原盤とかCDの音源の代表権利をレコード会社が持っていたとしても、アーティストは、「ヒト」ですし、イメージもありますから、当然、そのキャンペーンに関して、所属事務所の許諾が別途必要です。もちろん、原盤使用だって、レコード会社が持っていたとしても、キャンペーンに関して楽曲のイメージとあうかどうかとか、時期とか、同業他社とのタイアップがすでにないかどうかとか、いろいろな条件をクリアしないとスタートなんてできません。実際、今回のサイトのトップページの再下段にも「※全てアーティスト/所属事務所の許諾が必要となります」という但し書きがあります。

ユニバーサルさんが例示しているモバイル会員加入促進って言ったって、たとえば、出会い系のサイトの加入促進に使いたいってことになれば、100%実現はできないのは、考えたらわかります。

今回のもう一つの画期的なところは、メニューに着うた®が入っていることでしょう。

いやあ、時代が変わったことを実感させられます。

前職で、着うた®サイトを立ち上げた当時は、ちゃんと公式サイトとして立ち上げたサイトであっても、なかなかメジャーレコード会社が、配信許諾(もしくは、配信業務委託)をくれませんでした。

その後、着うた®が普及して、販促で着うた®をプレゼントしたいという相談がぱらぱらやってくるようになり、いくつか実施はしたのですが、メジャーレコード会社さんに相談に行っても、音楽をただで配るとは何事だという感じの会社さんも多く、なかなか許諾がおりないというケースがほとんどでした。(ユニバーサルさんのことじゃないですよ)

アーティストの所属事務所さんやインディーズのレコード会社さんの中には、先進的な会社さんも多く、いいよと二つ返事でOKしてくださったところがあったので、なんとか実現はできましたが。

時代は変わって、着うた®も誰もが(少なくともケータイで課金コンテンツを買う人達の中で。iPadのおかけで電子書籍元年だとかワケの分からないことを大声で言っているマーケット理解力の不自由な方たちは除きます)知るほど、一般化した今では、メジャーレコード会社さんも積極的に開放してくれるようになりました。着うた®市場が飽和し、パッケージも売れないという状況の中で、別の課金手段を考えなければならなくなった事情ももちろんあります。

着うた®屋さんだったアクセルマークから、ファンサイトマーケティング専門会社を立ち上げた今、大手総合広告代理店さんやレコード会社さんから、キャンペーンで着うた®をプレゼントキャンペーンの話が割と増えてきています。レコード会社にとってみたら、ユーザ一人ひとりに課金をして、販売するのではなく、企業がユーザの代わりにお金を払って、キャンペーンとして着うた®をプレゼントしても、間接的に、作品を有料で販売している事になるというわけで、さらに、キャンペーンの告知で、楽曲自体もプロモートされるので、一石二鳥だったりします。CMが入ったりしたら、願ったり叶ったりでもあります。もちろん、イメージがあえばという条件付きですが。

着うた®は、みなさんご存知の通り、キャリアの仕組み上、原則として、公式サイトの仕組みを使わない限り、着信設定をしたファイルを配信できないようになっています。一部のキャリアにおいては、携帯動画変換君とかを使ったり、エセ着うたとして着メロファイルに無理やり変換して配信したりすることができたりはしますが、流石に、大手企業のキャンペーンで、レコード会社の正式な許諾を受けてやるわけにはいきません。

配信ファイルは、デジタルなので、デジタルコピーという形で配信が行われます。デジタルコピーとはいえ、配信しているファイルの中に含まれているのは、アーティストの大切な作品なわけです。そのため、取り扱いは慎重に行わなければなりません。そこで、それぞれのレコード会社ごとに報告の仕組みとかが用意されていたりするので、着うた®屋のノウハウが必要となるというワケです。

で、ここからが宣伝です。

弊社では、大手企業向けのマーケティング手法の1つとして、キャンペーンで、着うた®をユーザに提供するサービスをひっそり行っています。

先月も国内大手の生命保険会社をクライアントとしたキャンペーンで、メルマガにご登録いただいたユーザに対して、東方神起やICONIQはじめ、有力な5アーティストの5作品の中からお好きな1曲を無料でプレゼントするというキャンペーンを実施させて頂きました。

レコード会社さんとの楽曲権利の許諾調整から、公式サイトにおける着うた®配信のシステムの構築と提供、JASRACを含めた著作権料の報告支払い業務まで、ワンストップでご提供しています。

広告代理店のご担当者、大手企業のマーケティング担当の方で、メジャーアーティストの楽曲をキャンペーンで配信されることをご検討されている方は、是非、弊社にお声がけください。

以上、たまには宣伝でした。

お問い合わせ

infoあっとまーくaxelentermedia.jp

または、僕をご存知の方は、僕のケータイに電話ください。

※着うた®は、株式会社ソニーミュージックエンタテインメントの登録商標です。

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アーティスト自らが音楽を販売するの巻

パッケージ商品からデジタルへと移行が進む中で、レコード会社は、マネジメント部門を新設したり、強化して、アーティスト事務所は、自主原盤制作にシフトしと、だんだん垣根が少なくなってきている音楽業界ですが、そんな中面白いサービスが始まりました。

DIY STARというダウンロード販売のシステム提供サービス。

http://diy.tunk.jp

音楽配信のシェアの9割を占めるケータイ向け音楽配信(着うた(R)着うたフル(R))も普及し尽くしており、市場はもはや飽和状態。また、シェアはわずかとはいえ、PC向けには、itunesもSONYが主導でやっているMoraもあり、僕が使いだしたNapsterはあと1カ月の命。

市場も飽和し、もはや、淘汰が起こっているこの大海原に、なぜ今出航なのか?

たぶん、誰もやってくれないから。

レコードから始まった、アーティストが演奏した音を録音して、何か(レコードとかCDとかMDとか最近だとファイルのコンテナとか)に詰め込んで販売するビジネスだけど、今までは、アーティスト(マネジメント事務所含む)とレコード会社が契約して、レコード会社→卸会社→レコード店→エンドユーザという流れで商品が流れて行ったので、いわゆる流通コストってやつがかかっていました。

それが、音楽配信の時代が突然やってきて、(本当は、PCでゆっくりやってくる予定だったんだけど日本の場合は、ケータイが普及して突然やってきたんだけど)

レコード会社→着うた(R)配信会社→エンドユーザになった。

要は、流通が簡略化されたわけです。

でも、結局、アーティストへの印税の支払われ方って、僕の知る限り、変わってないようなんです。CDっていうパッケージが売れなくなったから、その変わりだってことになってて、ひどいところだと、ジャケット控除とかまでトップオフされてしまったりします。さすがにデジタルなので出荷控除まではしていないとは思いますが。

流通が簡略化されたのだから、利益率あがるでしょ?っていうのが、普通の考え方だと思うのですが。

僕も着うた(R)屋さんだったから(今はファンクラブ屋さんです)擁護すると、割と着うた(R)配信するのって、コストはかかります。あんまり細かいこと書くと波紋があるので、細かくは書きませんが、決済手数料も10%前後かかるし、配信サーバを置くデータセンター、ハード、その中のシステム、サイトの宣伝コスト、そして、それらに携わる人。単純に上代-印税が収入なわけではないので、利益率は結果的にみなさんが想定しているよりはよいのだけれど、(このからくりは別途)、単純にお店を構える必要がないし、24時間稼働なんだから、ボロ儲けでしょってわけにはいかないわけです。

レコード会社だって、原盤権持っているって場合には、たいてい、原盤制作費というリスクを100%負っているケースが多いわけで、売るまでにかかるコストは莫大なので、当然、回収したいって事情もあります。ハイリスクを負っている人(法人も含め)が、もっともリターンを得るのは、あたりまえですから。

問題は、その原盤を制作するコストが、下がっていること。そして、配信にかかわるサーバとか、回線とかも値段がどんどん下がっている。そうなってくると、アーティスト(事務所含む)が自らが原盤を自らのリスクで制作するケースが増えてきます。原盤だけレコード会社に貸し出して、CDも、配信もお願いするって方法が今までだったんですが、この原盤印税を含めても、業界標準は・・・なので、できれば、レコード会社を通さずに、直接ユーザに売れればという流れになります。

そんなアーティストニーズにこたえたサービスが今回のサービスだという点であっぱれだなあと思います。どうやって儲けるのかは、僕にはわかりませんが。

レコード会社は、マネジメントに力を入れだし、マネジメント会社は、原盤制作から流通まで自社でやりだしという流れは今後ますます強まっていくでしょう。ますます面白くなってきました。

そのアーティストに興味を持っている人は、オフィシャルサイトには来るわけで。ターゲットユーザにはリーチできそう。ただし、アーティストそのもののプロモーションについては、解決していないので、別の解決策が必要なことは、変わりはありませんが。そこのところもレコード会社が引き受けていたんですから。でも、面白い時代です。

じゃ、そんな面白い時代に、配信会社はどうしていけばよいのでしょうか?

※着うた(R)着うたフル(R)は、株式会社ソニーミュージックエンタテインメントの登録商標です。

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